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『シグルスとグットルムについて』 アサイラム過去編一人目 後編
「シグルス、明日、兄さんに会いに行ってもいいかい。君の爵位継承の前夜祭までには帰ってくるよ」 「いいけど…なんで?」 「兄さんに、グンナルに、最後のお別れをしようと思ってね」 「だから、さっきから言ってるだろう!僕はこの卑劣な件からは降りると!」...
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『シグルス=ゼバスティアン=ヴォルスングについて』 アサイラム過去編一人目 中編
「今度はクラヴィーアか。本当にバッハが好きなんだな」 「……本当は協奏曲を弾きたいんだけどね」 初めて会ってからというもの、すっかり私はシグルスにかかりっきりの状態だ。いや、あるいは、こちらが〈白夜の部屋〉に入り浸っている状態とも言えるのか。革命で婚約者を亡くしてから、彼を...
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『グットルム=イザーク=ギューキについて』 アサイラム過去編一人目 前編
「よお、聞いたか、グローシム計画のこと、なんでも、頭が狂っちまった奴らだけで集団生活させる実験するらしいぜ」 「ああ、知ってるよ、だからこうして、特に病状が酷い奴らをカウンセリングと称して選り分けしてるんだろ」 「一番目の患者は……驚いたな、バルンストック国の公爵様らしいぜ...